2014年11月19日
ふる里の遠い記憶と花の絵手紙展 開催中
期間:11月15日(土)〜11月30日(日)
上記期間中、旧来住家住宅にて、
北詰墨彩画教室の皆様による水墨画の作品が展示されています。
北詰先生と生徒の皆様、総勢11名の個性豊かな作品は全65点!!
筆のタッチ、色彩の使い方、添える言葉、掛ける時間…
1つとして同じ物はなく、描き手の想いがたくさん詰まった作品がずらり。
白黒で濃淡をつけ、冬景色の切ない様子を表現したものや、
縁側、柿、里芋など、どこか懐かしい田舎の風景を切り取ったもの。
思わず顔がほころぶ、子ども顔の仏画というユニークなものも。
北詰先生は、
「白黒だけでなく、顔彩を用いて彩りのある水墨画も楽しんで頂きたい。
昔を思い出して、今の自分の生活とどう違うのか。
もう一度、『にっぽん』を考えるきっかけになってほしい。」
と、お話して下さいました。
誰しもが持つ「ふる里」の記憶。
その記憶を表した今回の作品は、
描き手の心をうつす画であり、また、
観る側の心もうつす画でもあると感じさせられます。
期間中、会場にて記帳して頂いた方には、
オリジナル絵手紙のプレゼントもございます♡
肌寒い季節になってきましたが、心温まる作品を観に、
是非とも旧来住邸へお越し下さいませ。
(まる)
2014年11月06日
村上しま子 古布着物リフォーム展 細工おとぎ話展
11月1日(土)〜13(木)
ミニ着物展、戦争人形展などで西脇、多可を中心に古布を使った手作り作品の発表をされている村上しま子さん。
今回は古布着物リフォームと、おとぎ話を題材にした人形細工の展示をされています。
古布を使った人形作りを始められたのは平成6年から。
鳥取出身のしま子さんのお兄さんは戦争で亡くなり、地元で50回忌の法要を執り行った際に、大きな法要も終わり、これからはお兄さんを偲ぶ大きな行事もないのかと思うと寂しさが押し寄せてきたのだそうです。
その時に、自らが子供だった頃の戦争の思い出とお兄さんの物語を人形作りに重ね、若い世代にも伝えていこうと思ったのだそうです。
不思議なめぐり合わせで、その思いつきを当時50回忌の法要を行ったお寺の住職に話したところ、人形を展示するための台になる古木のストックがお寺にあるからと提供してくれるということになり、確かめたところその木(ケヤキ)はもともとしま子さんの生家の庭に生えていたものだったのだそうです。
「小さかった頃の戦争の思い出をつぶさに思い出せるのは、幼い頃に苦労をしたおかげ」
と明るく話すしま子さんの生家はもともと鳥取で因州和紙を漉く工房をされており、昭和9年の水害で工房を流されてしまったということでした。
お父さんを小学6年の時に亡くされ、一人ぼっちで奉公に1年出されたという経験をしてきたから、大人のすることをよく見て、大人とのコミュニケーションを取り、その頃の生活ぶりを人形作りに再現できたのかもと語ってくれました。
今回の展示では、日本の古き良きおとぎ話の人形を作ったらきっとたくさんの人に喜んでもらえる、というインスピレーションを夢で見て、6月頃から人形作りと着物リフォームの作品を作り上げられました。
働き者の大きな手で驚くようなスピードで作品を作り上げるそのバイタリティは、幼い日の苦労の賜物なのだと感心しました。
更に。
もともと武家の血筋で、因州和紙工房をしていたというご実家の叔父さんの写真を見せてもらいました。
明治天皇妃皇后が崩御された際の葬儀時に撮影された写真のようで、裏書もしてあります。
明治天皇にお仕えしていたのでしょうか。
昔の写真は陰影が銀色に光って素敵です。
かぶたっく