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2014年07月23日
木工ふたり展 温故知新
期間:7月16日(水)〜7月30日(水)
藤田幸平さんと田中陽三さんのお二人による展示会が、来住邸奥の蔵ギャラリーにて開催されています。
蔵の1階には藤田さんの作品が並んでいます。
藤田さんは40歳頃から、「木好き」が高じて木工を始められました。
今回は、小物から器、椅子など様々な作品を展示しておられ、
「素材となる木の形や木目などの特徴を活かした作品作りを心がけています。木が本来持っている良さを感じていただければ」とおっしゃっていました。
2階には田中さんの作品がズラリ。
田中さんは、「時間をかけて全て手彫りしています。木と向き合い、荒々しい木にはそれに合った彫り方(2つ上の写真の盛皿のような彫り方)をといった、木の個性に合った作品作りを心がけています。蔵の中という独特な雰囲気の中での展示は他では味わえませんので是非お越しただければ」とおっしゃっていました。
また、仕上げには漆(うるし)やオイルが使われていますが、漆は古来から仕上げの接着や堅牢さを増したり長持ちさせるために使われていましたが、漆を何度も塗ることで木目が出たり独特の色味が出ることで重厚感が出て美しく仕上がります。オイルは乾きやすく仕上げを手早くできる点が利点であるといわれており、漆とオイルを見比べるのも楽しいですね。
それぞれの作品の「手触り・香り・風合い」を、ぜひとも実際に手にとって感じられてはいかがでしょうか。きっと木工の奥深い世界を楽しめますよ♪
(P)
2014年07月21日
朝田種・小西康博・宮本勉 三人展
期間:7月16日(水)〜30日(水)
かずら工芸の朝田種さん(かずら工房)、
草木染めの小西康博さん(エリショウ工房)
古布・柿渋染・古民具の宮本勉さん、
お三人によるグループ展が開催されています。
「自然のぬくもりを感じていただければ幸いです」と小西さん。
草木染めは、その日の気温や湿度、採取した草木の場所や状態によっても
出る色が異なってくるため、
染めるたびに、ちょっと濃かったり、ちょっとくすんだりして、
同じ色を出すのは非常に難しいのだそうです。
しかし、それも自然の面白いところ。
木綿、絹、麻など、染める布の素材によっても色が異なります。
小西さんは、思ってもみなかった色に出合えることを楽しみながら
続けておられます。
朝田さんのかづら作品、宮本さんの古布リメイク、柿渋染め、小物類なども
手作りの楽しさ、おもしろさが感じられるものばかり。
ぜひゆっくりと作品を見にいらしてください。
暑い日も来住邸のお屋敷のなかは、冷房がなくても少しひんやりとしていますので
お散歩の途中にもお気軽にお立ち寄りください。
(は)
来住邸でブライダルフェアが開かれました
開催日:2014年7月19日(土曜)
「〜生まれ育った西脇で結婚式を挙げませんか〜」
そんなすてきな提案が、先日、旧来住家住宅で発信されました。
主催は西脇ロイヤルホテルさんです。
ブライダルフェアといっても、一般の方も見学できるショー形式で
地元の方がたくさんいらっしゃって、なんだかアットホームな雰囲気でした。
まずは、籠にのってやってきた十二単姿の花嫁が入場。
夕暮れどきの来住邸にお姫様が現れたようで、場が一瞬で華やぎました。
旧来住家住宅は大正時代に建てられた高級民家です。
和装の花嫁がひときわ重厚かつ美しく映え、思わずうっとりです。
(ちなみに、ドレス姿も似合うんですよ)
「来住邸で結婚式を挙げたくなったわ〜」
そんな方は、ぜひ西脇ロイヤルホテルさんへご相談くださいませ。
来住邸を舞台にした結婚式、はたして第一号になるのは
この記事を読んでおられるアナタかも・・!?
楽しみにお待ちしております〜
(は)
2014年07月02日
藤本健次・増井吉三 油彩画ふたり展
期間:7月2日(水)〜13日(日)
本日より展示が始まった油彩画ふたり展へ行ってきました。
出展者は、西脇市黒田庄町の藤本さんと、多可町中区の増井さん。
おふたりとも油絵はご趣味とのことですが、
西脇市や多可町、加東市などの美術展でいくつも受賞歴をお持ちです。
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増井さんは2012年11月にも来住邸で個展をされたことがあり、
柔らかな光を感じるような心安らぐ絵に、癒やされた方も多いのではないでしょうか。
今回も、緑の輝き、日暮れの残照、猫のうたたね…と、
癒やし系な作品がずらりと並びます。全部で14点。
「題材は身の回りにあるものばかり。
地元の風景、ご近所のお庭の花……、
これはうちで飼っていた猫です」と、増井さん。
今、お宅では子猫を飼っておられるそうで、あまりにも可愛いからと
ねこちゃんの写真も持ってきておられますので、
展示を見学に行かれた方は、会場のテーブルの上に置かれている
クリアファイルもお見逃しなく。
ちなみに、いつもカメラを持ち歩いておられて、
ねこちゃんの写真だけでなく、
景色やら花やらご家族やら…写真をいっぱい撮りだめておられるそうです。
「だから、絵の題材(ネタ)には困らない」と、笑顔で教えてくださいました。
「風景画は、写真をそのまま描くときもあれば、
何枚かの写真を複数組みあわせて“合成”したりもします。
部分的にとったりつけたりしてね。
実際の風景とは違うんだけど」
というお話も大変興味深かったです。
風景画だと思うと、それが実際にある風景をそのまま写したものだと思いがちですが
本当はそうではない、ということがあるんですね。
しかも、逆にリアルに見えたりもする。
何でも自分の思い込みで、ものを見てはいけないものですねぇ。
心豊かに楽しく生きるコツのようなものまで教わったような気がしました。
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藤本さんは、すてきな人物画、特に女性の美人画に引き込まれました。
ご本人にお話を伺うと、「べっぴんさん」を描くというよりも、
「女性らしさ」や「人間らしさ」を表現したいと筆をとっておられるとのこと。
「見た目がいくらきれいでも、ツーンとした美人には魅力は感じへん。
明るい笑顔とか、内に秘めた強さとか、または恨めしそうな目とか、
そういった人間味のにじみ出るような人物に惹かれるものがありますね」
とも教えてくださいました。
内面を見つめながら描いておられるためか、
藤本さんの描かれる人物画には魂が籠もっているような気が……
絵の女性と目が合って、ドキリといたしました。
今回は全部で17点出展されています。
いったん描き上げた絵も、しばらくしてから
何かを描き足すなど修正することもあるそうで、
それも油絵のおもしろさのひとつだそうです。
ちなみにこの女性の絵も「変更したいところが出てきた」のだそうです。
どう変更されるのかしら・・・今後のお楽しみですネ。
(は)
2014年07月01日
『木創 樹の命 パートU』
6月18日(水)から28日(土)の11日間、河野好文さんによる木工作品の展示がありました。
会期中お邪魔すると、まず河野さん自ら手にとって説明してくれたのが竹の絵の細工がしてある茶筒。
ふたを開けると中にも竹の絵が。
更に中には何があるでしょう?との問い掛けに悩んでいると、「答えはかぐや姫!」
と茶目っ気たっぷりに教えてくれました。
他にも、木工ろくろを使って作られた生活に根ざしたお茶道具や季節ごとのお盆など、どれも風流な技を尽くした作品ばかりでした。
展示の中には作品として切り出す前の板の状態のものも陳列されていたのですが、並べて見ることで、どのように木の木目が作品に生かされているのかがわかり、この木目がこのお盆のこの部分にあたるのか〜。と面白い発見がたくさん。
木の木目がいろんな風景に見えてきて、作品ごとに情景、というか妄想が広がります。
またお盆も冬用、春用、夏用と厚みや重さが全然違うということも教えてもらいました。
(ちなみに真ん中の黒っぽいお盆が冬用、そこから左に、春用、夏用です)
冬用のお盆は手に木のぬくもりが伝わるよう、どっしりと厚みがあり、熱いお茶を乗せてもあまり重量の違いを感じないほど重たいのです。
それに対し春用になるともう少し薄く、軽く柔らかい質感に。
更に夏用になるともっともっと薄く、手に持つと厚紙かと思うほどの軽さでした。
木の材質も乾いていて一切の塗装もしておらず、手に触れた感触も涼やかで、よく冷えた麦茶を載せて運ぶのにもちょうど。
河野さんはおじいさん、そしてお父さんの代から木工ろくろを受け継いできたそうで、公募の美術展でもいくつも賞を取られていました。
お話を伺いながらも素材である木、そのものへの思いが熱く、伝わってきました。
神代欅という巨木についての説明があったので、一部を抜粋します。
巨木「神代欅」との出会い
神代欅(ジンダイケヤキ)とは…
古代に火山から噴出した火山灰や土石流や河川の氾濫・地震などの異変によって、森林の樹木が地中や水中に埋まりました。それらの樹木は地中または水中の密封状態で圧力がかかったまま数千年数万年という長い歳月を過ごしてきたのです。
近代の開発により地中や水中深く眠っていた樹木が掘り出されました。
幼木や小径木などは腐敗し化石化しましたが、しっかりとした年輪を持つ樹木は極めて硬く、独特の暗青色から黒色おびた木肌を持つ「神代木(ジンダイボク)」として高級建築材や美術工芸品などに利用されています。
とくに欅(ケヤキ)は貴重な産物で希少価値があり高価なものです。
鳥海山麓の巨大な神代欅
平成10年、秋田・山形の県境にそびえる鳥海山の麓から巨大な神代欅(ジンダイケヤキ)が掘り出されたとの情報を得ました。
早速現地に走りました。そこには表面が玉杢(タマモク:樹木のコブのようなところをスライスすると現れる比較的大きな同心円型の模様)がびっしりの巨大な神代欅が横たわっていました。
この神代欅は、紀元前466年の鳥海山の大噴火で発生した土石流で地中にうもれた(奈良国立文化財研究所の測定)もので、実に2462年ぶりに日の目を浴びた原木でした。
その大きさは枝下長さ8.6m・末口径2m・元径2.7mと神代欅(ジンダイケヤキ)としては、前代未聞の壮大な欅(ケヤキ)でした。
後日、購入し名古屋港の製材所まで低床トレーラーで運搬して製材しました。
(かぶたっく)
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